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ルーマニアは、東ヨーロッパに位置する共和制国家。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。 国の中央をほぼ逆L字のようにカルパティア山脈が通り、山脈に囲まれた北西部の平原をトランシルヴァニア、ブルガリアに接するワラキア、モルドバに接するモルダヴィア、黒海に面するドブロジャの4つの地方に分かれる。東欧では数少ないロマンス系の言語であるルーマニア語を公用語として採用している国家であるが、宗教的には東方教会系の「ルーマニア正教会」が多数派である。いっぽう北西のポーランドはスラヴ語派のうち西スラヴ語群に属するポーランド語が主に話されているが、宗教的にはカトリック教会が支配的であり、ルーマニアとは好対照をなしている。
ルーマニア語(limba română)は、ルーマニアの公用語であり、またその周辺地域でも使用されている言語である。インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に分類される。ラテン語の東部地域における方言。バルカン・ロマンス語派。モルドバ語はルーマニア語とほぼ同じ言語である。アルーマニア語は、ルーマニア語の方言とされる事もあるが、意思疎通が困難である。特筆すべきこととして、ルーマニア語は、東方正教会を信仰する地域の言語であるため、他のロマンス語と異なり、文化的にほとんどローマ・カトリックの影響を受けていないことが挙げられる。
ルーマニア語アルファベットとは、ルーマニア語を表記するために使用される文字である。ルーマニア語ではかつてキリル文字が使用されていたが、18~19世紀に行なわれた言語浄化運動により、キリル文字を撤廃し、ラテン文字を使用するようになった。モルドバではソ連支配下時においてキリル文字を使用したが、独立後ラテン文字に切り替えた。以下の一覧の内、K、Q、W、Yは固有語に用いられない。ÎとÂは同じ発音だが、現在の正書法では、Îは語頭・語末で、Âはそれ以外で使用される。これに伴う表記揺れについては、以下に記載する。Eは、代名詞中、fiの活用形で/je/と読まれる。I、Uは、母音の前で/j/、/w/と読まれる。
文法的特徴。男性・女性・中性の3性を持つ、後置定冠詞、他のロマンス諸語とは違い、現代にいたるまで格変化を保っている、ブルガリア語やアルバニア語などバルカン諸語と共通の特徴を持つ(バルカン言語連合)、アルーマニア語(マケドルーマニア語)については、独立した言語と見る見方が大勢である。
a, e, i, o, u: 基本的にはイタリア語やスペイン語などと同じ。â, î: どちらも同じ音 /ɨ/(非円唇中舌狭母音)をあらわす。現在の正書法では、語中では â を、語頭と語末では î を用いる。ă /ə/: a と â の中間の音。閉じた「ア」。ş /ʃ/: 無声後部歯茎摩擦音。j /ʒ/: 有声後部歯茎摩擦音。ţ /ʦ/: 無声歯茎破擦音。c, g: イタリア語と同じく、e, i の前で硬口蓋音化し、h の挿入によって軟口蓋音に保たれる。